「今すぐKiss Me」のイントロが流れた瞬間、1990年の月曜夜9時にタイムスリップする――そんな方、きっと多いですよね。ドラマ『世界で一番君が好き!』の主題歌として街中で鳴り響いたあの曲を、突き抜けるハイトーンで歌っていたのがLINDBERGのボーカル、渡瀬マキさんです。2002年にバンドが解散したと聞いて以来、「そういえば今どうしてるんだろう?」と気になっていた方もいるのではないでしょうか。実は渡瀬マキさん、2026年のいま、ここ数年でもとくに忙しい一年を過ごしています。新曲のリリース、全国ツアー、大型音楽番組への出演、そして故郷・鳥羽の母校の校歌制作まで。この記事では、全盛期から解散・再始動の経緯、そして2026年現在の活動まで、じっくりたどっていきます。
01渡瀬マキのプロフィール
- 名前
- 渡瀬マキ(わたせ まき)
- 本名
- 平川麻紀
- 生年月日
- 1969年2月22日(57歳)
- 出身地
- 三重県鳥羽市
- 職業
- 歌手・LINDBERGボーカル
- デビュー
- 1987年6月、シングル「パールモンド・Kiss」でアイドル歌手としてデビュー
- 所属バンド
- LINDBERG(1988年結成、1989年デビュー)
- 家族
- 夫はLINDBERGのギタリスト・平川達也さん(1997年結婚)
アイドルからロックバンドのフロントへ、という異色の経歴こそが渡瀬マキさんの原点です。
02全盛期の活躍――LINDBERGの快進撃
アイドルとして17歳で上京、1987年デビュー
三重県鳥羽市で生まれ育った渡瀬マキさんは、17歳で上京し、1987年6月にシングル「パールモンド・Kiss」でアイドル歌手としてデビューしました。同じ時期には森高千里さんや酒井法子さんらもデビューしており、いわゆるアイドル全盛期のど真ん中。ただ、アイドルとしては大きなヒットには恵まれず、ここで渡瀬さんは大きな方向転換を選びます。
1988年、ギターの平川達也さん、ベースの川添智久さん、ドラムの小柳”cherry”昌法さんとともにロックバンド「LINDBERG」を結成。1989年4月25日にシングル「ROUTE 246」でバンドとしてのデビューを果たしました。アイドル出身の女性ボーカルがロックバンドを率いる、というスタイルは当時まだ珍しく、ここから快進撃が始まります。
「今すぐKiss Me」がオリコン1位、年間3位の大ヒット
最大の転機は1990年2月7日発売の「今すぐKiss Me」です。フジテレビ系の月9ドラマ『世界で一番君が好き!』(浅野温子さん・三上博史さん主演)の主題歌に起用されると、オリコンチャートで通算3度の1位を獲得し、1990年の年間シングルランキングでは3位に入る大ヒットとなりました。
面白いのが、この曲の誕生秘話。ドラマの制作陣は当初、別のアーティストの起用を考えていたものの、直前で話が流れてしまい、急きょLINDBERGにオリジナル曲を依頼したのだそうです。「スピード感・切なさ・キャッチーさ」という条件に応えて、バンドはわずか1週間ほどで楽曲を仕上げたと伝えられています。まさに瞬発力で生まれた一曲が、30年以上歌い継がれる代表曲になったわけですね。
紅白出場、日本武道館――90年代を駆け抜けた日々
その後も「BELIEVE IN LOVE」「GLORY DAYS」など、前向きで疾走感のあるロックナンバーを次々に発表。1992年には『NHK紅白歌合戦』に出場し、1993年1月には日本武道館のステージにも立っています。渡瀬さんの持ち味は、何といっても伸びやかなハイトーンと、ステージを跳ね回るような全身全霊のパフォーマンス。「元気をもらえる女性ボーカル」の代表格として、多くの10代・20代に支持されました。
レコード会社移籍後も続いたヒット
1995年にはテイチクへ移籍し、同年のアルバムは37万枚を超えるヒットを記録。バンドとしての人気が安定していたことがわかります。同じ1995年からは渡瀬さんのソロ活動もスタートし、2002年までにソロアルバムも発表しました。バンドのボーカルとソロ、二つの顔を持つ時期がこの頃から始まったのです。
03解散と再始動――バンドのその後
順調に見えたLINDBERGですが、2002年に解散を発表します。約14年間の活動に区切りをつけ、同年8月24日の渋谷公会堂公演がラストステージとなりました。「LINDBERGってもう解散したよね」という記憶のまま止まっている方が多いのは、この時期の印象が強いからでしょう。
ところが物語はここで終わりません。2009年、デビュー20周年を記念して1年間限定で再結成。9月には日本武道館公演も行われ、久々に4人がそろった姿に多くのファンが歓喜しました。そして2014年1月、今度は「期間限定」ではなく継続的な形での活動再開を発表。以降、節目ごとのツアーや毎年恒例のビルボードライブ公演など、現役バンドとして歩み続けています。
2018年には一時的に活動を休止する時期もありましたが、その後復帰し、2020年から2021年にかけては30周年ツアーを開催。35周年、36周年と、周年ごとにステージを重ねてきました。
- 1987年6月「パールモンド・Kiss」でアイドル歌手としてデビュー。
- 1988年ロックバンドLINDBERGを結成。
- 1989年4月シングル「ROUTE 246」でバンドデビュー。
- 1990年2月「今すぐKiss Me」発売。オリコン1位、年間3位の大ヒット。
- 1992年NHK紅白歌合戦に出場。
- 1995年テイチクへ移籍。ソロ活動も開始。
- 1997年10月ギタリストの平川達也さんと結婚。
- 2002年8月渋谷公会堂公演をもってLINDBERG解散。
- 2009年デビュー20周年で期間限定の再結成。日本武道館公演を開催。
- 2014年1月継続的な形での活動再開を発表。
- 2015年ベストマザー賞(音楽部門)を受賞。
- 2020年〜2021年デビュー30周年ツアーを開催。
- 2023年4月夫・平川達也さんと会社「ティンカティンカ」を設立。
- 2024年4月35周年ツアー「Thanx a Million☆」を開催。
- 2026年4月新曲「Be Okay」配信、37周年ツアー「Hello!New Days」開催。母校統合校の校歌を制作。
04夫婦で歩む音楽人生
バンドメイトから夫婦へ
渡瀬マキさんを語るうえで欠かせないのが、夫でありLINDBERGのギタリストでもある平川達也さんの存在です。二人は1997年10月に結婚。バンドの作曲面を支える平川さんと、歌詞と歌声で楽曲に命を吹き込む渡瀬さんという、公私ともに息の合ったパートナーシップが続いています。最新曲「Be Okay」も作曲は平川さん、作詞は渡瀬さんという二人三脚のスタイルです。
渡瀬さんのInstagramには夫婦のツーショットがたびたび登場し、そのたびにファンから「理想の夫婦」「若々しくてびっくり」といった声が寄せられています。2025年には平川さんの63歳の誕生日を祝福する投稿がニュースにもなりました。
健康1番で楽しく音楽を1日でも長くやっていけますように 出典:ORICON NEWS(渡瀬マキさんのInstagram投稿より)2025年
長く音楽を続けてきた二人だからこそ出てくる、飾らない願いの言葉ですよね。
ユニット「タツマキ」と会社設立
夫婦での活動はLINDBERGだけにとどまりません。平川さんとの音楽ユニット「タツマキ」として配信活動も行っており、2023年4月には二人で会社「ティンカティンカ」を設立。自分たちの手で音楽活動を運営していく体制を整えました。デビューから35年以上が経っても、新しい形を模索し続ける姿勢には頭が下がります。
エッセイ出版とベストマザー賞
2015年には、音楽部門でベストマザー賞を受賞。歌手としての活動と家庭を両立してきた姿勢が評価されました。また2022年には初のエッセイも出版しています。ステージ上の元気いっぱいのイメージとは違う、一人の女性としての言葉に触れられる一冊として、ファンの間で話題になりました。
052026年現在の活動
母校の統合校で校歌を制作
2026年の渡瀬マキさんの活動で、とりわけ印象的なのが故郷・鳥羽市の校歌制作です。渡瀬さんの母校を含む鳥羽市内の3つの中学校が統合され、2026年4月に「鳥羽市立鳥羽中央中学校」として新たに開校。その校歌を渡瀬さんが手がけました。
2026年3月、渡瀬さんは中学時代の写真とともにInstagramで校歌制作を報告。中学時代は友人関係に悩み、家で泣くこともあったと率直に明かしたうえで、音楽に出会ったことで希望を見つけたと振り返りました。
自分を育ててくれた場所に音楽で恩返し…心から嬉しく思う 出典:中日スポーツ 2026年3月
さらに新入生に向けては、今の苦しさがずっと続くわけではないこと、道は一つではないことを伝え、何より自分を大切にしてほしいとエールを送っています。17歳で上京してから約40年。校歌は何十年にもわたって生徒たちに歌い継がれていくもので、「自分がいなくなっても子どもたちの声で続いていく」という趣旨の思いも語っていました。ヒット曲とはまた違う、長く残る作品を故郷に届けたことになります。
新曲「Be Okay」がABCプロ野球中継テーマソングに
2026年4月7日、LINDBERGは新曲「Be Okay」(作詞:渡瀬マキ/作曲:平川達也)をデジタルリリースしました。この曲はABCテレビの2026年プロ野球中継テーマソングに決定。阪神タイガースの藤川球児監督がかつて15年以上にわたって登場曲として使っていた「every little thing every precious thing」へのアンサーソングという位置づけで、頑張る人や戦う選手の背中を押す楽曲に仕上がっています。
配信開始は阪神の甲子園初戦と同じ日。7月22日にはABCテレビ『スーパーベースボール 阪神×DeNA』の生中継に渡瀬さん自らゲスト出演し、番組を盛り上げました。LINDBERGの曲が、世代を超えて球場とお茶の間をつないでいるのは、なんだか胸が熱くなりますね。
37周年ツアー「Hello!New Days」
デビュー記念日の4月25日に37周年を迎えたLINDBERGは、全国7カ所をめぐる「LINDBERG LIVE TOUR 2026『Hello!New Days』」を開催しました。4月3日の新横浜NEW SIDE BEACH!!を皮切りに、名古屋ダイアモンドホール、GORILLA HALL OSAKA、福岡DRUM LOGOS、札幌cube garden、仙台darwinを回り、4月26日のEX THEATER ROPPONGIでファイナルを迎えています。
前年の2025年も、2月の新横浜公演、4月の36周年ツアー(日本橋三井ホール公演には岸谷香さんがゲスト出演)、故郷・三重の「イセテラスフェス2025」出演、12月のKT Zepp Yokohama公演と、ライブ漬けの一年でした。さらに「岸谷香感謝祭2025」では森高千里さん、岸谷香さんと3人でステージに立ち、同世代のファンを沸かせています。9月22日には新横浜NEW SIDE BEACH!!のイベント「Playground Vol.10」への出演も予定されていました。
大型音楽番組・バラエティにも続々出演
2026年はテレビでの露出も目立ちました。7月4日には日本テレビ系の大型音楽特番『THE MUSIC DAY 2026』に出演し、「今すぐKiss Me」を披露。変わらない笑顔とハイトーンに、ネット上では「初めて買ったシングルCDがこれ」「生まれる前の曲なのにめちゃめちゃ盛り上がれる」といった声が相次ぎました。さらに『テレ東音楽祭 2026 夏』でも「今すぐKiss Me」を歌唱しています。
8月22日にはテレビ朝日系『二軒目どうする?〜ツマミのハナシ〜』にも出演するなど、音楽番組以外の場でも親しみやすいキャラクターを見せています。かつての「月9主題歌を歌っていた人」が、2026年にはまた新しい世代にも知られる存在になりつつあるのです。
06まとめ
アイドルとしてデビューし、LINDBERGのボーカルとして「今すぐKiss Me」で一時代を築いた渡瀬マキさん。2002年の解散で「過去の人」と思っていた方も多いかもしれませんが、2014年の再始動以降は着実に活動を重ね、2026年は新曲、ツアー、テレビ出演、そして母校の校歌制作と、むしろ今が充実期といえるほどの活躍ぶりです。
渡瀬マキ 2026年現在まとめ
- 1990年「今すぐKiss Me」がオリコン1位・年間3位の大ヒット
- 2002年にLINDBERG解散、2009年の期間限定再結成を経て2014年から継続的に活動
- 夫・平川達也さんと2023年に会社「ティンカティンカ」を設立
- 2026年4月、統合で開校した母校・鳥羽中央中学校の校歌を制作
- 新曲「Be Okay」がABCプロ野球中継2026年テーマソングに
- 37周年ツアー「Hello!New Days」を全国7カ所で開催
- 『THE MUSIC DAY 2026』など大型音楽番組で「今すぐKiss Me」を披露
「今すぐKiss Me」を口ずさんだあの頃の自分と、今の渡瀬マキさんの姿を重ねてみると、なんだか元気が湧いてきませんか? ライブハウスでも、テレビでも、そして故郷の中学校の校歌の中でも、渡瀬さんの歌はこれからも誰かの背中を押し続けていくはずです。気になった方は、ぜひ一度ライブに足を運んでみてください。