「王様のブランチ」の総合司会に、数々のグルメ番組。年間500軒以上を食べ歩く「芸能界のグルメ王」として、2010年代のテレビに欠かせなかったアンジャッシュの渡部建さん。勘違いをテーマにした緻密なコントで実力を見せる一方、バラエティやMCでも頼れる存在でした。それが2020年6月、一連の不倫報道で全レギュラー番組が一気に消滅——あの落差を覚えている方も多いのではないでしょうか。あれから6年。渡部さんは今、YouTubeを主戦場にしながら、地上波復帰への執念を隠さず動き続けています。2026年現在の渡部建さんの「今」を、全盛期の活躍から不倫報道、そして現在の歩みまで、公平にまとめました。
01渡部建のプロフィール
- 本名
- 渡部 建(わたべ けん)
- 生年月日
- 1972年9月23日(53歳)
- 出身地
- 東京都八王子市
- 主な活動
- お笑いタレント・MC・YouTuber
- コンビ
- アンジャッシュ(相方・児嶋一哉さん/ツッコミ担当)
- 結成
- 1993年
- 学歴
- 神奈川大学経済学部卒業
- 代表番組
- 「王様のブランチ」「ヒルナンデス!」「行列のできる法律相談所」
2026年で53歳。コント職人として鳴らしたコンビが、ここまで激動の道を歩むことになるとは、当時誰も想像しなかったでしょうね。
02全盛期の活躍――グルメ王とコントの実力者
アンジャッシュ結成と「勘違いコント」での評価
渡部建さんがお笑いの世界に入ったのは1993年。高校時代からの知り合いだった児嶋一哉さんと「アンジャッシュ」を結成しました。二人の武器は、登場人物がお互いをまったく別の文脈で勘違いしたまま会話が噛み合っていく、緻密に計算された「勘違いコント」。一見シンプルなのに、伏線が最後にすべて回収される構成は完成度が高く、「コントが上手いコンビ」として芸人仲間からも一目置かれる存在になっていきました。
渡部さんはそのコントで、冷静に状況を整理するツッコミ役を担当。瞬発力で押すタイプというより、設計図どおりに笑いを組み立てる理知的なスタイルが持ち味でした。
「芸能界のグルメ王」として食番組で大ブレイク
渡部さんの名前を一気に全国区にしたのが、グルメの分野です。年間500軒以上ともいわれる圧倒的な食べ歩きの量と、料理を的確に言語化する表現力で、いつしか「芸能界のグルメ王」と呼ばれるように。高級店から町中華まで幅広く通い、店や料理への知識量は芸能人の中でも群を抜いていました。
食レポの言葉選びが上手く、見ているこちらまでお腹が空いてくる——そんな絶妙な表現力で、グルメ番組やコーナーには欠かせない人材になっていきます。
「王様のブランチ」総合司会、MCとしての安定感
2010年代の渡部さんは、コンビとしてだけでなく個人での活躍が際立っていました。TBS系の長寿情報番組「王様のブランチ」では総合司会を任され、日本テレビ系「ヒルナンデス!」の火曜レギュラー、「行列のできる法律相談所」などにも出演。情報番組からバラエティまで、幅広い現場をそつなく回す進行役としての評価が高かったのです。
落ち着いた語り口と、ゲストや共演者を立てる気配り。MCとしての安定感は折り紙付きで、テレビ局からの信頼も厚いタレントでした。
私生活でも注目――佐々木希さんとの結婚
そんな渡部さんは、私生活でも大きな話題を呼びました。2017年4月、女優の佐々木希さんとの結婚を発表。同年10月には挙式・披露宴も行われ、人気女優との結婚は当時大きく報じられました。仕事も家庭も順風満帆——傍から見れば、まさに芸能界の成功者のひとりだったといえるでしょう。
03転落の軌跡――2020年の不倫報道
順調そのものに見えた渡部さんのキャリアは、2020年に一変します。ここからの出来事は、本人にとっても周囲にとっても、非常に重いものでした。
- 2017年4月女優・佐々木希さんとの結婚を発表。同年10月に挙式・披露宴を行う。
- 2020年6月週刊文春が複数女性との不倫を報道。これを受け、レギュラー番組をはじめ出演番組から相次いで活動自粛。地上波のレギュラーが事実上すべて消滅した。
- 2020年12月報道から約半年後、記者会見を開いて謝罪。一連の報道について自らの言葉で説明し、頭を下げた。
- 2022年2月芸能活動の再開を発表。千葉テレビの番組「白黒アンジャッシュ」を足がかりに、少しずつ現場に戻り始める。
- 2022年11月ABEMA「チャンスの時間」に出演。配信系のバラエティに顔を出すようになる。
- 2023年12月フジテレビ系「全力!脱力タイムズ」に出演し、全国ネットの地上波への復帰を一度果たす。
2020年6月、週刊文春による複数女性との不倫報道が出ると、渡部さんが抱えていたレギュラー番組は次々と打ち切りや出演見合わせとなりました。「王様のブランチ」「ヒルナンデス!」をはじめ、あれだけ多くの番組に出ていた人が、ほぼ一夜にしてテレビから姿を消したのです。
その後、同年12月に記者会見を開いて謝罪。報道から会見までに半年近くを要したことや、会見の内容そのものについても、当時は厳しい意見が多く寄せられました。妻の佐々木希さんとの夫婦関係についてもさまざまに報じられましたが、ここでは本人や家族のプライバシーに踏み込むことは控えます。確かなのは、この一件で渡部さんがそれまで築いたテレビでの地位を一度すべて失った、という事実です。
04そこからどう立て直したのか
まず「出られる場所」から地道に再開
全番組消滅というどん底から、渡部さんが選んだのは、いきなり大舞台を狙うのではなく、出られる場所から地道に積み上げていく道でした。2022年2月の活動再開後、最初の本格的な拠点になったのは千葉テレビの「白黒アンジャッシュ」。全国ネットではなくローカル局からの再スタートです。
そこからABEMAの「チャンスの時間」など配信系のバラエティに少しずつ出演を増やし、2023年12月にはフジテレビ「全力!脱力タイムズ」で全国ネットの地上波にも一度復帰しました。とはいえ、かつてのようにレギュラーがずらりと並ぶ状態にはほど遠く、地上波での露出はあくまで限定的。「完全復活」とは言えない、厳しい状況が続きました。
講演・執筆という新しい柱
テレビの仕事が激減した時期に、渡部さんが新たに広げたのが講演活動と執筆です。長年のMC経験で培ったコミュニケーション術を体系化し、2022年に『超一流の会話力』、2023年に『世界一わかりやすいコミュニケーションの教科書』を出版。いずれも話題を呼び、企業向けの講演・セミナーにも活動を広げていきました。
タレントとしての露出が限られる中で、「話す力」「伝える力」という自分の強みを別の形でお金に換えていく。芸能の表舞台だけに依存しない生き方を模索した時期だったといえます。
YouTubeという主戦場の確立
そしてもうひとつ、現在の渡部さんを語るうえで欠かせないのがYouTubeです。2023年には「アンジャッシュ渡部チャンネル」で、「いつか地上波のグルメ番組に出ることを夢見てロケハンする番組」をスタート。タイトルからして自虐的でありながら、「地上波に戻りたい」という本音をまっすぐ掲げた企画です。
得意のグルメというフィールドで、自分の足で店を回り、語る。テレビから締め出された分、ネットで自分の場所を作る——この選択が、後の活動本格化につながっていきます。
052026年現在の活動
YouTubeを軸に活動が本格化
2025年3月、デイリー新潮は渡部さんの活動が「本格化しつつある」と報じました。記事では、絶体絶命だった渡部さんの復帰を後押しした大物芸人たちの存在にも触れられています。実際、2025年以降の渡部さんはYouTubeを軸に発信を続け、グルメロケ番組の動画は回を重ねてきました。
アンジャッシュ渡部建が活動本格化 復帰を後押しした5組の「大物芸人」とは 出典:デイリー新潮 2025年3月18日
テレビのレギュラーに頼らず、自分でコンテンツを作り発信し続けるスタイルが、ようやく形になってきた、というのが2025〜2026年の渡部さんの姿です。
2本目のYouTube番組「渡部のサシ飲み」スタート
2025年1月には、渡部さんがMCを務める2本目のYouTube番組「渡部のサシ飲み」がスタートしました。一流の料理人・経営者・アスリートらをゲストに招き、互いにお酒を飲みながら「仕事のこだわり」や「人生のターニングポイント」、普段は言えない本音までじっくり掘り下げていく対談番組です。
第1回のゲストは、食べログ全国上位の名店「日本橋蛎殻町 すぎた」の店主・杉田孝明さん。2025年夏には料理人の川越達也さんも登場するなど、渡部さんの人脈とグルメへの造詣が活きた人選が続いています。聞き手としての落ち着いた進行は健在で、MC時代の地力が改めて感じられる番組になっています。
地上波には“しれっと”復帰、それでも本人は「現状は厳しい」
2025年5月には、MBSテレビの「よんチャンTV」にサプライズ出演し、関西の準キー局にいわば“しれっと”復帰する場面もありました。少しずつ地上波の現場に呼ばれる機会も出てきている、ということです。
ただし、本人は現状を冷静に見ています。YouTubeでの発言として、地上波復帰については「現状はすごく厳しい」と認めつつ、それでも「お茶の間で見られるタレントに戻りたい」という思いを語っています(出典:WEBザテレビジョン)。配信だけで完結させず、あくまで地上波を目指す——その執念には賛否両論ありますが、渡部さんが目標を曲げていないことだけは確かです。
グルメ王の看板は健在
転落から6年が経ち、活動の場はテレビからYouTubeへと大きく変わりましたが、渡部さんの根っこにある「食」への情熱と知識は変わっていません。ロケ番組でも対談番組でも、料理や店を語るときの解像度の高さは健在で、ここが渡部さんという人の一番の武器であり続けています。地上波のグルメ番組に再び立つという夢に向けて、その看板を磨き続けている、というのが2026年現在の立ち位置といえるでしょう。
06まとめ
「芸能界のグルメ王」として、そしてコント職人として、確かな実力でテレビを支えていた渡部建さん。2020年の不倫報道による全番組消滅は、本人の行いが招いたこととはいえ、あまりに大きな転落でした。それでも2026年現在、53歳の渡部さんは、YouTubeという新しい主戦場で地道に発信を続けながら、地上波復帰という目標を諦めていません。
渡部建 2026年現在まとめ
- 2020年6月の不倫報道で全レギュラー番組が消滅、同年12月に記者会見で謝罪
- 2022年2月に活動再開、千葉テレビ「白黒アンジャッシュ」など出られる場所から地道に再スタート
- 2023年12月に「全力!脱力タイムズ」で全国地上波に一度復帰するも、露出は限定的
- 講演・執筆にも活動を広げ、コミュニケーション関連の著書がヒット
- YouTube「アンジャッシュ渡部チャンネル」のグルメロケ番組を軸に発信を継続
- 2025年1月に2本目のYouTube番組「渡部のサシ飲み」をスタート
- 2025年以降は活動が本格化、地上波にも散発的に出演しつつ「お茶の間に戻りたい」と地上波復帰への思いを語る
テレビからネットへ、看板の出し方は変わっても、渡部さんが磨き続けているのはやはり「食」と「伝える力」。完全復活への道のりはまだ平坦ではありませんが、目標を口にし続け、コツコツと積み上げるその姿を、これからも見ていきたいですね。