「Yes We Can!」——両手を高々と掲げ、バラク・オバマ元大統領にそっくりの顔で叫ぶあの姿、覚えている方も多いのではないでしょうか。お笑いコンビ「デンジャラス」のボケ担当・ノッチさん。2008年のオバマものまねで再ブレイクを果たし、テレビで引っ張りだこだった時期がありました。あれから十数年、ノッチさんの名前を最近あまり聞かないな……と思っていたら、実は今、まったく別のフィールドで熱い注目を集めているんです。2026年現在のノッチさんの「今」を、ボキャブラ天国時代の全盛期から振り返りつつ、たっぷりまとめました。
01ノッチのプロフィール
- 本名
- 佐藤 望(さとう のぞむ)
- 芸名
- ノッチ
- 生年月日
- 1965年7月26日(60歳)
- 出身地
- 愛媛県新居浜市
- 身長
- 168cm
- 所属
- 太田プロダクション
- 主な活動
- お笑い芸人・マラソンランナー・YouTuber
- コンビ
- デンジャラス(相方:安田和博)
2026年で60歳、節目の還暦を迎えたノッチさん。あの「Yes We Can」のテンションを思い出すと、もう還暦かと時の流れを感じてしまいますね。
02全盛期の活躍――ボキャブラ天国からオバマものまねへ
コンビ「デンジャラス」の結成とボキャブラ天国ブーム
ノッチさんが芸能界に入ったのは、相方・安田和博さんとお笑いコンビ「デンジャラス」を結成した1988年のこと。太田プロダクションに所属し、若手登竜門「ラ・ママ新人コント大会」で期待の星として頭角を現していきます。
そんな二人が一気に全国区になったのが、1990年代半ばにフジテレビで放送された人気バラエティ番組『タモリのボキャブラ天国』シリーズでした。ダジャレを映像化して競うこの番組は当時の大ブームで、爆笑問題やネプチューンといった同世代の芸人たちと並んで、デンジャラスも「ボキャブラブーム」を代表するコンビの一組として一躍人気者に。当時、月収が200万円を超えていたとも言われるほどの売れっ子ぶりでした。
「ノッチです」――危険なボケと安田のツッコミ
デンジャラスの芸風は、ノッチさんが演じる「危険なキャラ」に、まともなはずの安田さんが巻き込まれていくナンセンスなスタイル。両脇の下に手のひらをかざして挨拶する「ノッチです」のギャグは、デンジャラスといえばこれ、という代表ネタになりました。
ノッチさんがとんでもないことを言い放ち、安田さんが「このバカタレが!」と間髪入れずにツッコむ。あのテンポの良さに笑った記憶がある方も多いはず。コンビ名のとおり、どこか危険でアナーキーな空気をまとった、唯一無二のコンビでした。
2008年、運命を変えた「オバマものまね」
デンジャラスのキャリアを語るうえで外せないのが、2008年から2009年にかけての「オバマものまね」での再ブレイクです。
きっかけは本当に偶然でした。2008年のアメリカ大統領選挙のさなか、自宅で寝ているノッチさんを見た奥さんが「あれ、オバマに似てる」と気づき、その顔を携帯で撮影してブログに掲載。これがネットで話題となり、テレビ出演が一気に急増したんです。決め台詞「Yes We Can」も奥さんの発案だったというから、まさに内助の功ですね。
ボキャブラブームが落ち着いて以降、しばらく露出が減っていたノッチさんですが、このオバマものまねで完全復活。相方の安田さんもSP(警護官)役で共演し、コンビとして再び茶の間の人気者になりました。あの顔とテンションのインパクトは、いま思い出しても強烈です。
03キャリアの転機――極貧時代とマラソンとの出会い
華やかなブレイクの裏側で、ノッチさんには知られざる苦労の時期がありました。実は、現在のノッチさんを語るうえで一番大事なのが、この「転機」のエピソードなんです。
- 1988年安田和博さんとお笑いコンビ「デンジャラス」を結成。太田プロダクションに所属。
- 1990年代半ば『タモリのボキャブラ天国』シリーズで人気を博し、ボキャブラブームを代表するコンビの一組に。
- 2000年代ボキャブラブームの沈静化とともに仕事が激減。売れない時期に体重が88kgまで増加。
- 2000年代後半妻のすすめでマラソンを始め、約3か月で16kgの減量に成功。
- 2008〜2009年妻がブログに載せた「オバマそっくり」の写真が話題に。オバマものまね「Yes We Can」で再ブレイク。
- 2010年東京マラソンでフルマラソン自己ベスト3時間34分42秒を記録。
- 2011〜2012年佐渡国際トライアスロンなど過酷なレースにも挑戦し、ランナーとしての存在感を高める。
- 2020年YouTubeチャンネル「ノッチちゃんねる」を開設。
ボキャブラブームが去ったあと、デンジャラスの仕事は一気に減ってしまいました。ノッチさん自身、当時は体重が88kgまで増えてしまっていたそうです。そんなとき、奥さんから「走ったら?」とすすめられて始めたのがマラソンでした。
実は高校時代、ノッチさんは駅伝部に所属していて、その厳しい練習からランニングがすっかりトラウマになっていたといいます。それでも一念発起して走り始めたところ、なんと約3か月で16kgもの減量に成功。そして体が締まったタイミングで、あのオバマものまねの再ブレイクがやってきた——。ノッチさんはこれを「マラソンの神様がもたらしてくれた」と語っています。お笑いで一度どん底を見たからこそ、走ることが人生の支えになったというわけです。
04ランナー・ノッチの素顔
実は本格派――陸上で鍛えた下地
ダイエットから始まったノッチさんのランニングですが、その走りは「お笑い芸人の余技」というレベルをとうに超えています。
そもそもノッチさんは、中学時代に県の陸上大会の中距離で優勝、高校時代には3000メートル障害で四国大会3位という実績の持ち主。アスリートとしての下地がしっかりあったんですね。だからこそ、本格的に走り込み始めてからの伸びも本物でした。2010年の東京マラソンで記録したフルマラソン自己ベスト3時間34分42秒は、市民ランナーとしてもかなり立派なタイムです。
トライアスロンにも挑戦する鉄人ぶり
ノッチさんのすごいところは、フルマラソンだけにとどまらないこと。日本一過酷とも言われる佐渡国際トライアスロンにも挑戦し、完走を果たしています。スイム・バイク・ランを通して戦うトライアスロンを走り切るというのは、生半可な体力では到底できません。「オバマものまねの人」というイメージの裏に、こんな鉄人の顔があったとは、という感じですよね。
走り続けるための日々のトレーニング
還暦を迎えた今も、ノッチさんのストイックさは健在です。FMヨコハマのランニング番組「JOG STATION」(2026年1月放送)に出演した際には、現在のトレーニング内容を具体的に明かしています。週3〜4ペースで練習を続け、ウエイトトレーニングも欠かさない。さらに300mのインターバル走を10本、週1で行っているというから驚きです。
60歳でこのメニューをこなしているというのは、本職のアスリートでもなかなかのもの。お笑いの世界で一度どん底を経験した人が、走ることを通じてここまで自分を律し続けているというのは、なんだか胸が熱くなる話です。
052026年現在の活動
テレビでは「走る人」として引っ張りだこ
2026年現在、ノッチさんはマラソンランナーとしてのキャリアが、お笑い芸人としての顔と完全に一体化しています。なかでも代表的なのが、テレビのマラソン企画への出演です。
2023年と2024年には、フジテレビ系『FNS27時間テレビ』の100kmマラソンに挑戦し、見事完走。SNSでも大きな反響を呼びました。また、TBS系の人気番組『オールスター感謝祭』の名物コーナー「赤坂5丁目ミニマラソン」にも常連ランナーとして出場しており、芸能人ランナーの中でもおなじみの顔になっています。かつての「Yes We Can」の人が、今や「走る芸人」として認知されているというのは、面白い変化ですよね。
各地のマラソン大会にゲストランナーとして登場
テレビの企画だけでなく、ノッチさんは全国各地のマラソン大会にもゲストランナーとして招かれています。たとえば「湘南藤沢市民マラソン2025」にもゲストとして名を連ねるなど、地域のランニングイベントを盛り上げる存在になっています。
(高校の駅伝部時代は)ランニングがトラウマだった。それが妻のすすめでマラソンを始め、3か月で16kg痩せた。マラソンの神様がもたらしてくれた。 出典:Fm yokohama「JOG STATION」 2026年1月24日放送
トラウマだった走ることが、今では生きがいであり仕事にもなっている。ノッチさんにとってマラソンは、単なる健康法ではなく人生そのものになっているんですね。
YouTube「ノッチちゃんねる」で見せる意外な一面
ノッチさんは2020年に開設したYouTubeチャンネル「ノッチちゃんねる」も精力的に更新しています。意外にもメインテーマはマラソンではなく、バイク歴44年というノッチさんならではのバイク・クルマ系。レビューやツーリング、レストア企画などを、奥さんがディレクター兼編集を担当する手作り感あふれるスタイルで発信しています。
2025年には、購入したばかりの愛車のトラブルを自己流で修理しようとして奥さんを驚かせる様子が話題になり、オリコンなど複数のメディアにも取り上げられました。還暦を迎えた節目には、修理店のスタッフからサプライズで花束を贈られる一幕もあったそうです。お笑い・マラソンに続く「第3の顔」として、こうした素のノッチさんを楽しめるのも今ならでは。普段の活動の様子はInstagram(@notch_dangerous)でも発信されています。
コンビ「デンジャラス」としての活動も継続
ソロでのマラソンやYouTubeが目立つ一方で、相方・安田和博さんとのコンビ「デンジャラス」としての活動も続いています。安田さんは構成作家としても活躍するなど、二人ともそれぞれのフィールドで芸歴を重ねながら、テレビやライブでデンジャラスとしての姿も見せています。1988年の結成から数えて、コンビ歴はすでに30年以上。長く続いているというだけで、その関係性には味わいがありますね。
06まとめ
「Yes We Can」のオバマものまねで茶の間を沸かせたノッチさん。あの一発屋的なブレイクの印象が強いかもしれませんが、2026年現在の姿を追いかけてみると、お笑い・マラソン・YouTubeという3つの顔を持ち、還暦になっても変わらず走り続ける、なんともたくましい人物像が見えてきました。
ノッチ(デンジャラス) 2026年現在まとめ
- 1988年結成のコンビ「デンジャラス」のボケ担当として活動を継続
- ボキャブラ天国でブレイク後、2008年のオバマものまね「Yes We Can」で再ブレイク
- 売れない極貧時代に妻のすすめで始めたマラソンが、人生の転機に
- フルマラソン自己ベストは3時間34分42秒、トライアスロンも完走する本格派
- 『FNS27時間テレビ』100kmマラソンや『オールスター感謝祭』ミニマラソンに出場
- YouTube「ノッチちゃんねる」でバイク・クルマ系の企画を発信中
- 2025年に還暦を迎え、週3〜4の練習を欠かさず今も走り続けている
一度はテレビから姿が見えなくなっても、別の道で自分の居場所を作り直す——ノッチさんの歩みは、まさにそんな再起のお手本のような物語です。60歳になってもストイックに走り続けるその背中を、これからも応援していきたいですね。