「アムロ、行きまーす!」のセリフに胸を熱くした世代も、『名探偵コナン』の安室透にときめいた世代も、声を聞けばすぐにわかる――それが声優・古谷徹さんです。星飛雄馬からアムロ・レイ、星矢、タキシード仮面、そして安室透やサボまで、半世紀以上にわたって日本のアニメ史のど真ん中を歩いてきたレジェンド。ところが2024年、その名前は思いがけない形でニュースを駆けめぐることになります。「あの古谷さん、今どうしているんだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。報道や降板の経緯から、2025年のガンダム新作出演まで、2026年現在の古谷徹さんの「今」を、事実にもとづいて誠実にまとめました。

01古谷徹のプロフィール

本名
古谷 徹(ふるや とおる)
生年月日
1953年7月31日(72歳)
出身地
神奈川県
血液型
A型
所属
青二プロダクション
主な活動
声優・ナレーター
代表作
「機動戦士ガンダム」(アムロ・レイ)「巨人の星」(星飛雄馬)「名探偵コナン」(安室透〈初代〉)

2026年で72歳。10歳のころから声の仕事を続けてきたわけですから、まさに日本の声優界の生き字引のような存在ですね。

02全盛期の活躍――半世紀のレジェンド声優

10歳でデビュー、星飛雄馬で主役に

古谷徹さんが声の世界に入ったのは、なんと10歳のとき。子役として吹き替えなどに参加し、中学1年だった1966年にはオーディションに合格してアニメ『海賊王子』のキッド役で初主役を務めます。そして中学3年だった1968年からは、スポ根アニメの金字塔『巨人の星』で主人公・星飛雄馬を演じることに。大リーグボールに挑む熱血少年の叫びは、当時のテレビっ子の記憶に深く刻まれました。10代でいきなり国民的アニメの主役を張ったわけですから、出発点からしてただ者ではありません。

アムロ・レイ――「ガンダム」を背負った声

古谷さんの名前を不動のものにしたのが、1979年放送の『機動戦士ガンダム』の主人公アムロ・レイです。戦争に巻き込まれた繊細な少年が、葛藤しながらパイロットとして成長していく姿を、古谷さんは等身大の説得力で演じきりました。「アムロ、行きまーす!」のセリフは、ガンダムを観たことがない人でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

以降、『機動戦士Zガンダム』や劇場版、ゲームなど、アムロという役は数十年にわたって古谷さんとともにあり続けました。ファーストガンダムの世代にとって、アムロの声=古谷徹という結びつきは、もはや切り離せないものになっていったのです。

星矢、春日恭介、タキシード仮面――2枚目から熱血まで

古谷さんのすごさは、役の幅の広さにもあります。『きまぐれオレンジ☆ロード』の春日恭介では優柔不断な高校生のやわらかさを、『聖闘士星矢』の天馬星座の星矢では仲間を思う熱血漢を、『美少女戦士セーラームーン』の地場衛/タキシード仮面ではミステリアスな二枚目を演じ分けました。熱い少年も、クールな二枚目も、コミカルな青年も自在にこなす。世代やジャンルを越えて愛されてきたのは、この対応力あってこそです。

安室透とサボ――新たな世代のファンを獲得

ベテランになってからも古谷さんの存在感は衰えませんでした。『名探偵コナン』では、安室透(バーボン/降谷零)という人気キャラクターを2017年から担当。原作者の青山剛昌さんがガンダムの大ファンで、アムロ役の古谷さんとシャア役の池田秀一さんへの敬愛から安室透と赤井秀一というキャラクターが生まれた、という有名な逸話もあります。安室透は劇場版『ゼロの執行人』の大ヒットもあって社会現象級の人気となり、古谷さんは若い女性ファンからも熱烈に支持されました。さらに『ONE PIECE』ではサボ役を2014年から務め、長年のキャリアに新たな代表作を積み重ねていったのです。

032024年の報道と主要キャラ降板

半世紀以上にわたって第一線を走り続けてきた古谷さんですが、2024年、その歩みは大きく揺らぐことになります。ここからの話はファンにとってつらい内容を含みますので、事実にもとづいて誠実に整理します。

2024年5月、「週刊文春」が古谷さんと37歳年下の女性ファンとの長期にわたる不倫関係を報じました。古谷さん本人も同月22日、自身のX(当時)で報道内容を認めて謝罪。「ファンの皆様を裏切り、演じるキャラクターを汚してしまった」として、長年のファンや作品関係者への謝罪をつづりました。報道では妊娠中絶や暴力をめぐる経緯にも言及されており、世間に大きな衝撃が広がりました。

その後、古谷さんは出演予定だった舞台や生配信番組から相次いで降板。そして6月22日には、代表的な役である『名探偵コナン』の安室透役、『ONE PIECE』のサボ役を降板することが明らかになりました。

  • 2024年5月22日「週刊文春」の報道を受け、X(当時)で不倫関係を認めて謝罪。生配信番組も急きょ終了。
  • 2024年5月8月に上演予定だった朗読劇「約束の果て」を「諸般の事情により」降板。
  • 2024年6月22日『名探偵コナン』安室透役、『ONE PIECE』サボ役の降板が明らかに。降板発表後、本人の公式Xアカウントは削除された。
  • 2024年8月18日放送回『ONE PIECE』のサボ役後任が入野自由さんに決定し、第1116話から登場。
  • 2024年10月放送開始『ドラゴンボールDAIMA』のヤムチャ役は鈴木良太さんが担当。長年務めた役からも交代に。
  • 2025年1月放送回『名探偵コナン』安室透役の後任が草尾毅さんと判明。

『コナン』『ONE PIECE』という現在進行形の人気作で長年続けてきた役を、いずれも自ら降りる形になりました。安室透のように「声ありきで作られたキャラクター」だっただけに、ファンの間には惜しむ声や戸惑いの声も少なくありませんでした。

04降板が示した役と声の重さ

キャラクターの一部としての「声」

今回の一連の出来事が改めて浮き彫りにしたのは、声優の「声」がキャラクターそのものと不可分だという事実です。安室透のように、原作者が古谷さんの声をイメージして生み出したとされるキャラクターの場合、声優の交代はキャラクターの印象そのものを左右します。降板報道に際し、ファンからは「声ありきで作られたキャラのようなものなのに」と惜しむ声が上がったと報じられました。だからこそ後任のキャスティングには大きな注目が集まり、入野自由さんや草尾毅さんといった実力派が役を引き継ぐことになったのです。

「簡単には切り捨てられない」キャリアの重み

一方で、半世紀にわたって築き上げてきたキャリアと、アムロ・レイという作品史に残る役の存在は、業界として簡単に扱えるものではありませんでした。報道後も古谷さんを「簡単に切り捨てられない」とする見方が業界内にあったことは、複数のメディアが指摘しています。やってしまったことへの責任と、長年の功績や代表作との関係をどう整理するか――今回の件は、ファンだけでなく制作サイドにとっても難しい問いを突きつけました。

引退ではなく「限定的な活動継続」

降板が続いたことで「このまま引退するのでは」という見方もありましたが、古谷さん本人や所属事務所から正式な引退の発表はありません。多くの主要な役からは退いたものの、活動を完全に止めたわけではなく、限定的ながら声の仕事を続けています。次の章で、その「現在」を見ていきます。

052026年現在の活動

大きく変わった外見――白髪と白いあごひげ

2025年に入り、古谷さんは久しぶりに公の場に姿を見せます。報道によれば、2025年2月にYouTubeなどで配信されるトーク番組に出演した際、かつての明るい髪色とふんわりしたヘアスタイルから一変。全体が真っ白な総白髪に白いあごひげ、そして以前よりかなり痩せた姿で登場し、「別人のよう」「玉手箱を開けたみたい」とネット上で大きな話題になりました。落ち着いたその佇まいに、過去の出来事への思いを重ねて見るファンも少なくなかったようです。

大阪・関西万博のガンダム展示に「アムロAI」で参加

2025年に古谷さんの名前が再び広く知られるきっかけとなったのが、大阪・関西万博のガンダムをテーマにしたパビリオンです。報道によると、新作映像作品に登場する「アムロAI」の声を古谷さんが担当することが明らかになりました。横浜に残されたかつてのパイロットの記憶を受け継いだ存在、という設定で、アムロという役と古谷さんの声が、また別の形で未来へつながれた格好です。

万博ガンダムパビリオン、“アムロAI”(古谷徹)の登場が明らかに…かつての記憶を受け継ぐ 出典:ORICON NEWS 2025年4月9日

報道では、この「AIとしての登場」という形について「素直に喜べない」といった声があったことも伝えられており、復帰のあり方をめぐる議論が続いていることもうかがえます。

ガンダム新作「ジークアクス」最終話にサプライズ出演

そして2025年6月、ファンを最も驚かせたのがガンダムシリーズ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』の最終話でした。報道によれば、2025年6月24日深夜に放送された最終話に古谷さんが声で出演。シャア役の池田秀一さん、ララァ役の潘恵子さんといったファーストガンダムのレジェンドキャストとともに、クライマックスを彩りました。放送直後、Xでは深夜にもかかわらず「古谷さん」がトレンド入りし、「あの声がまた聴けてよかった」という反応が広がりました。

アムロという役に半世紀寄り添ってきた古谷さんの声が、新作の重要な場面で響いたことは、長年のガンダムファンにとって感慨深い出来事だったようです。一方で、報道をめぐる経緯から出演に複雑な思いを抱く声があったのも事実で、その両方が同時に存在しているのが2025年から2026年にかけての状況だといえます。

所属は継続、限定的に活動

2026年6月現在、古谷さんは引き続き青二プロダクションに所属しています。『コナン』『ONE PIECE』といったレギュラーの大役からは退きましたが、ガンダム関連の出演など、限定的な形で声の仕事は続いている状況です。かつてのように毎週テレビで声を聞く、という形ではなくなりましたが、長いキャリアを通じて築かれたアムロ・レイという役との結びつきは、今もさまざまな場面で生き続けています。

06まとめ

星飛雄馬、アムロ・レイ、星矢、安室透――。世代ごとに違う「古谷徹の代表作」を挙げられること自体が、半世紀以上にわたるそのキャリアの大きさを物語っています。2024年の報道と一連の降板は、ファンにとっても本人にとっても重い出来事でした。事件として報じられた内容は事実として受け止めつつ、その後の歩みを冷静に追うと、2026年現在の古谷さんは限定的ながら声の仕事を続けている、というのが実情です。

古谷徹 2026年現在まとめ

  • 2024年5月、「週刊文春」の不倫報道を受け本人が謝罪
  • 同年6月、『名探偵コナン』安室透役・『ONE PIECE』サボ役を降板
  • サボ役後任は入野自由さん、安室透役後任は草尾毅さん
  • 2025年2月、白髪・白ひげの大きく変わった姿で番組に出演し話題に
  • 2025年、大阪・関西万博のガンダム展示に「アムロAI」の声で参加
  • 2025年6月、新作『ガンダム ジークアクス』最終話にサプライズ出演
  • 2026年現在も青二プロダクションに所属し、限定的に活動を継続

数々の名キャラクターに声を吹き込み、何世代ものファンの記憶に残ってきた古谷徹さん。2024年の出来事は決して小さくありませんが、それでもアムロ・レイという役を通じて積み重ねられてきた歴史の重みは、簡単には消えないものです。報道された事実を踏まえたうえで、これからの古谷さんがどのような形で声の仕事と向き合っていくのか、静かに見守っていきたいですね。