濱口竜介監督の映画『寝ても覚めても』でヒロインに大抜擢され、2018年のカンヌ国際映画祭のレッドカーペットを歩いた唐田えりかさん。透明感のある独特の存在感で「次世代の実力派」として期待されていたのに、2020年のある報道をきっかけに、ぱったりとテレビや映画から姿を消してしまった——そんな記憶を持っている方も多いのではないでしょうか。あれから数年、実は今、唐田さんは女優として本格的に「完全復活」を遂げ、2026年には連続ドラマのヒロインまで射止めています。一度はどん底に落ちた人が、どうやってここまで戻ってきたのか。全盛期の輝きから活動休止、そして現在の活躍までを、できるだけ公平に振り返ってまとめました。

01唐田えりかのプロフィール

本名
唐田 えりか(からた えりか)
生年月日
1997年9月19日(28歳)
出身地
千葉県君津市
主な活動
女優・モデル
所属
フラーム
出世作
映画「寝ても覚めても」(2018年)
近年の代表作
「極悪女王」「グラスハート」「102回目のプロポーズ」

2026年で28歳。10代でモデルとしてデビューし、20歳で映画のヒロインに抜擢された人が、紆余曲折を経て今また第一線に立っているわけです。年齢的にはまさにこれから、というところですね。

02全盛期の活躍――寝ても覚めてもで掴んだ脚光

モデルから女優へ――10代でのスタート

唐田えりかさんが芸能界に入ったのは10代の頃。2014年に「全日本国民的美少女コンテスト」に出場したことが知られており、その後モデルや女優として活動を始めます。集英社のファッション誌「MORE」の専属モデルも務め、ナチュラルで透明感のあるルックスは早くから注目を集めていました。

派手なアイドル路線というよりは、空気感で見せるタイプ。この独特の存在感が、のちに映画監督の目に留まることになります。

『寝ても覚めても』のヒロインに大抜擢

唐田さんにとって決定的な転機となったのが、2018年公開の映画『寝ても覚めても』です。芥川賞作家・柴崎友香さんの小説を原作に、のちに『ドライブ・マイ・カー』で世界的評価を得る濱口竜介監督が手がけた商業映画デビュー作。唐田さんはこの作品で、瓜二つの二人の男性のあいだで揺れる主人公・泉谷朝子(あさこ)役という、難しいヒロインを演じきりました。

相手役は当時から人気俳優だった東出昌大さん。本作は第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、2018年5月、唐田さんは東出さんや濱口監督とともにカンヌのレッドカーペットを歩いています。デビューしてまもない若手にとって、これ以上ない晴れ舞台でした。

「ずっと夢を見ているような」――一気に広がった期待

カンヌ出品作のヒロインという肩書きは、新人女優にとって破格のものです。唐田さん自身、当時のインタビューで「ずっと夢を見ているような」と初めてのカンヌを振り返っており、本人にとっても想像を超える出来事だったことがうかがえます。

派手さで売るのではなく、繊細な表情と佇まいで物語を背負える稀有なタイプ。映画ファンや業界関係者のあいだでは「次世代の実力派女優」として、その後の活躍を心待ちにする声が一気に高まっていきました。今振り返っても、このときの注目度は本物だったと言えるでしょう。

03活動休止の経緯――文春報道と両事務所の対応

順調に見えたキャリアが大きく揺らいだのは、2020年のことでした。ここからの話はセンシティブな内容を含むので、報道された事実の範囲で淡々と整理しておきます。

2020年1月23日、週刊文春が、唐田えりかさんと、『寝ても覚めても』で共演した俳優・東出昌大さんとの不適切な関係を報じました。東出さんには当時、配偶者がいたため、いわゆる不倫報道として大きな社会的注目を集めることになります。

報道を受け、両者の所属事務所はそれぞれ関係を認めるコメントを発表。唐田さん側の事務所も、本人が自身の軽率な行動を深く反省している旨を明らかにしました。これにともない、唐田さんの公式Instagramや公式サイトはこの時期に閉じられ、女優としての活動は事実上の休止状態に入ります。

  • 2018年5月映画『寝ても覚めても』がカンヌ国際映画祭に出品。ヒロインとしてレッドカーペットを歩き、一躍注目を集める。
  • 2018年9月『寝ても覚めても』が日本公開。出世作として高い評価を得る。
  • 2020年1月23日週刊文春が東出昌大さんとの関係を報道。両事務所が関係を認め、唐田さんは活動休止状態に。公式SNS・公式サイトも閉鎖。
  • 2020年〜表立った芸能活動から長く遠ざかる。表舞台での露出はほぼなくなる。
  • 2024年9月Netflix『極悪女王』に長与千種役で出演。本格的な復帰を果たす。
  • 2025年NHKドラマ『地震のあとで』、Netflix『グラスハート』など出演作が相次ぐ。
  • 2026年4月フジテレビ系『102回目のプロポーズ』でヒロインに。連ドラ主演級として完全復活。

不倫報道そのものは、本人にとっても周囲にとっても重い出来事でした。ここで強調しておきたいのは、世間で語られた噂の中には裏付けの取れていないものも少なくないということ。この記事では、主要メディアで報じられ、両事務所が認めた事実の範囲だけを扱っています。煽る話ではなく、その後どう立て直したのかにこそ目を向けたいところです。

04沈黙の数年間と再起への準備

「半年、一歩も外に出なかった」

活動休止後、唐田さんが具体的にどう過ごしていたのかは長らく語られませんでしたが、後年のインタビューで本人がその一端を明かしています。報道直後の時期には、半年間ほとんど外に出ない生活を送っていたといいます。それほどまでに、当時の状況は本人を追い詰めるものでした。

20代前半でキャリアの絶頂から一転、世間の厳しい視線にさらされる。映像で観てきた繊細さを思うと、その重さは想像に難くありません。シリアスな話ですが、ここを通らずに今の唐田さんは語れないので、あえて触れておきます。

焦らず、演技で答えを出すという選択

注目すべきは、唐田さんが復帰にあたって、言い訳や派手な釈明会見といった「言葉」で巻き返そうとしなかった点です。長い沈黙のあと、彼女が選んだのは、あくまで作品の中で、演技そのもので評価を取り戻していく道でした。

数年という時間をかけて少しずつ現場に戻り、まずは配信ドラマや映画など、実力が問われる場で結果を出していく。SNSで自分を大きく見せるのではなく、役者としての仕事で信頼を積み直す——この地に足のついた姿勢が、のちの本格復帰につながっていきます。

所属事務所フラームのもとで

唐田さんは活動休止後も、女優・モデルを多く抱える事務所フラームに所属し続けています。実力派俳優が集まることで知られる事務所のもとで、表舞台から離れていた期間も含めて、復帰の準備を整えてきました。一度離れた人を再び第一線に戻すのは簡単ではありませんが、本人の覚悟と周囲の後押しが噛み合った結果が、今の活躍だと言えるでしょう。

052026年現在の活動

Netflix『極悪女王』で本格復帰――長与千種役の説得力

唐田えりかさんの名前が再び大きく聞かれるようになったきっかけが、2024年9月にNetflixで配信されたドラマ『極悪女王』です。1980年代の女子プロレス界を描いた話題作で、唐田さんはレジェンドレスラー・長与千種さんを演じました。

この役のために体重を約10キロ増やし、過酷なプロレスシーンにも挑むという徹底ぶり。透明感のあるヒロイン像とはまるで違う、強く激しいキャラクターを体当たりで演じきり、「唐田えりか、完全復活してる」という声がSNSで一気に広がりました。長与千種役での演技は高く評価され、作品自体も国内外で大きな話題を呼ぶなど、唐田さんの女優としての評価を改めて押し上げる結果となりました。

唐田さん本人は『極悪女王』について、強くならなければいけないという点で、自分自身にも通じるものがある役だったと語っている。 出典:BRUTUS.jp「『極悪女王』の舞台裏」インタビューより

どん底を知る人が、「強くならなきゃいけない」役で帰ってきた——この巡り合わせには、なんとも言えない説得力がありますね。

Netflix『グラスハート』とNHK作品――役の幅を広げる

復活の流れは2025年にさらに加速します。2025年7月に世界配信されたNetflixドラマ『グラスハート』では、若手音楽バンドを支えるマネージャー・甲斐弥夜子役を担当。ピンクのショートヘアでクールに振る舞う、知的で寡黙な戦略家という役どころで、『極悪女王』の熱い役柄とはまた正反対の表情を見せました。

さらに同年4月には、村上春樹さんの短編を原作にしたNHKドラマ『地震のあとで』に出演。原作ファンや批評家からも演技を評価する声が上がり、「完全復活」という評価を決定づけました。激しい役、静かな役、文芸性の高い役と、ジャンルを問わず役の幅を広げているのが、ここ最近の唐田さんの大きな特徴です。

本人の公式Instagramでも、こうした出演作の告知や舞台裏が発信されています。

復帰後の唐田さんは、作品のオフショットや告知をInstagramでこまめに発信しており、ファンとの距離感も以前より少しオープンになった印象です。

フジ『102回目のプロポーズ』でヒロイン――地上波連ドラへ完全復活

そして2026年、唐田さんはついに地上波の連続ドラマでヒロインを務めるまでに至ります。武田鉄矢さん主演の名作ドラマ『101回目のプロポーズ』の続編にあたる、フジテレビ系『102回目のプロポーズ』です。

物語は、前作で結ばれた矢吹薫(浅野温子さん)と星野達郎(武田鉄矢さん)の娘・星野光(ほしの ひかる)が主人公のラブストーリー。30歳・独身でチェリストの光を唐田さんが演じ、相手役には霜降り明星のせいやさん(空野太陽役)が抜擢され、二人のダブル主演で描かれます。伊藤健太郎さんも出演し、企画は鈴木おさむさんが担当しています。

配信はFODで2026年3月19日午後8時から第1話・第2話が先行スタート。地上波ではフジテレビ系で4月1日午後11時から放送が始まり、以降は毎週水曜の同時間帯で放送されました。本編では豪雨の中のプロポーズシーンが大きな話題を呼ぶなど、放送中もたびたびネットを賑わせています。

せいやさん演じる“太陽”から、唐田さん演じる“光”への豪雨の中のプロポーズシーンが大きな反響を呼んだ。 出典:WEBザテレビジョン 2026年

不倫報道で地上波から姿を消した人が、6年ほどの時を経て、地上波の連ドラでヒロインに返り咲く。芸能界の厳しさを考えると、これは相当に重みのある「復活」だと言っていいでしょう。賛否の声が残っているのも事実ですが、それも含めて、唐田さんが今まさに本気で第一線に戻ってきたことの証だと感じます。

06まとめ

『寝ても覚めても』のヒロインとして鮮烈にデビューし、カンヌのレッドカーペットを歩いた唐田えりかさん。2020年の不倫報道による活動休止という大きな挫折を経て、2026年現在、彼女は女優として確かな足場を取り戻しています。

唐田えりか 2026年現在まとめ

  • 2018年、映画『寝ても覚めても』のヒロインでカンヌ出品作に出演し脚光を浴びる
  • 2020年1月、週刊文春が東出昌大さんとの関係を報道、両事務所が認め活動休止に
  • 2024年9月、Netflix『極悪女王』の長与千種役で本格復帰、高い評価を得る
  • 2025年はNetflix『グラスハート』、NHK『地震のあとで』など出演作が相次ぐ
  • 2026年、フジ系『102回目のプロポーズ』でヒロインに抜擢、せいやさんとW主演
  • 同作はFODで3月19日先行配信、地上波は4月1日から毎週水曜23時に放送
  • 公式Instagram(@karata__erika)で出演作や近況を発信中

派手な釈明ではなく、ひとつひとつの役で評価を積み直す——唐田さんが選んだのは、いちばん地道で、いちばん遠回りに見える道でした。それでも数年をかけて地上波連ドラのヒロインまで戻ってきた事実は、本人の覚悟と努力をはっきりと物語っています。これからの唐田えりかさんが、女優としてどんな表情を見せてくれるのか。静かに見守っていきたいですね。