「ハワイから来た黒船」と呼ばれ、外国出身力士として初めて大関まで上り詰めた小錦(KONISHIKI)さん。土俵を沸かせた巨体と豪快な突き押しを覚えている方も多いと思います。でも、今の小錦さんを語るうえで欠かせないのは、むしろ引退後の「第二の人生」のほう。ウクレレを抱えて歌うハワイアンシンガー、そして子供番組の人気者「コニちゃん」として、すっかりお茶の間の愛されキャラに変身しました。2024年には腎臓移植という大きな手術も乗り越えています。そんな小錦さんの「今」を、相撲時代から振り返りつつ2026年現在までまとめてみました。

01小錦のプロフィール

本名
サレバ・アティサノエ(日本国籍取得後の登録名)
愛称
KONISHIKI(コニシキ)/コニちゃん
生年月日
1963年12月31日(62歳)
出身地
アメリカ・ハワイ州オアフ島
主な活動
元大相撲力士(最高位・大関)/タレント・歌手
所属部屋
高砂部屋
幕内優勝
3回
引退後の名跡
年寄・佐ノ山(後に退職)

2026年で62歳。あの巨体の印象が強いので意外に思うかもしれませんが、年齢的にはまだまだ現役のエンターテイナーですね。

02全盛期の活躍――ハワイから来た黒船

スカウトされて単身来日、高砂部屋へ

小錦さんがハワイから来日したのは1982年。同じハワイ出身の大先輩・高見山(後の東関親方)にスカウトされ、高砂部屋に入門しました。当時まだ10代。言葉も文化もまったく違う日本で、いきなり厳しい相撲部屋の生活に飛び込んだわけですから、相当な覚悟だったはずです。

そして同年、初土俵を踏みます。規格外の巨体とパワーで、序ノ口からあれよあれよと番付を駆け上がっていきました。

「黒船来航」――番付を一気に駆け上がる

入門からわずか2年後の1984年名古屋場所で新入幕を果たすと、小錦さんは幕内でも圧倒的な存在感を発揮します。187センチの長身に、最重量時には280キロを超えるとも言われた体重。その巨体から繰り出される突き、押し、そして「きめ出し」は、当時の力士たちをまるで子供のように吹き飛ばしました。

横綱・千代の富士をはじめとする日本の強豪たちを次々と破る姿は、まさに「黒船来航」。相撲界に大きな衝撃を与え、外国出身力士の活躍を象徴する存在になっていきます。

外国出身力士として初の大関昇進

1987年名古屋場所後、小錦さんは大関に昇進します。これは外国出身力士として史上初の快挙でした。日本の国技である大相撲で、ハワイ出身の力士が三役の頂点に立つ。今でこそ外国出身の横綱・大関は珍しくありませんが、その道を最初に切り開いたのが小錦さんだったんです。

幕内優勝も通算3回。大関として安定した成績を残し、一時は横綱昇進が現実味を帯びる場所もありました。あの巨体で土俵を支配する姿は、80年代後半から90年代前半の大相撲を代表する名物のひとつでした。

「強さ」と「人気」を両立した稀有な力士

小錦さんのすごさは、強さだけではありませんでした。愛嬌のある笑顔と、たどたどしくも一生懸命な日本語、そしてどこか憎めないキャラクター。土俵の上では恐ろしく強いのに、土俵を下りると人懐っこい——このギャップが、子供から大人まで幅広いファンを惹きつけました。

膝などの度重なる故障に苦しみながらも土俵に上がり続け、1997年九州場所で現役を引退。長く激しい相撲人生に、ひとつの区切りをつけました。

03引退とタレント転身――キャリアの転機

土俵を去った小錦さんですが、その後の歩みは「転落」とはまったく無縁でした。むしろ、力士時代とは違う新しい才能を次々に開花させていきます。引退後のキャリアの転機を、年表で振り返ってみましょう。

  • 1994年2月日本国籍を取得。相撲界での将来を見据えての決断だった。
  • 1997年11月九州場所を最後に現役を引退。年寄・佐ノ山を襲名し、後進の指導にあたる。
  • 2000年前後相撲協会を離れ、本格的にタレント・アーティストへ転身。バラエティやCMで活躍の場を広げる。
  • 2002年サザンオールスターズのベーシスト・関口和之さんらと音楽活動。ウクレレを軸にしたハワイアン音楽に本格的に取り組む。
  • 2003年〜NHK教育「にほんごであそぼ」にキャラクター「コニちゃん」として出演。子供たちの人気者に。
  • 2000年代後半健康面を考慮し減量手術を受け、大幅な減量に成功。
  • 2024年12月腎不全を公表。妻・千絵さんからの腎臓移植手術を受け、無事退院。

こうして並べてみると、小錦さんの引退後はずっと前向きですよね。相撲という枠を飛び出して、歌手、タレント、子供番組の人気者と、活躍の幅をどんどん広げていきました。

04減量と健康との向き合い方

大幅減量を決断した理由

力士時代、小錦さんの体重は最重量時で280キロを超えていたと伝えられています。あの巨体は土俵では大きな武器でしたが、引退して年齢を重ねるにつれ、膝や腰、そして内臓への負担はどうしても大きくなっていきます。

そこで小錦さんは、健康のために減量手術を受けるという決断をしました。報道によれば、手術後は食事の量が大きく制限され、ラーメン一杯を完食するのも難しくなったといいます。あの体格を支えていた食生活が一変したわけですから、本人にとっても大きな生活の変化だったはずです。この減量によって、体重は大幅に落ちたと報じられています。

なお、健康に関する具体的な数値や経緯は本人・関係者の発言や各種報道に基づくものです。ここでは断定を避けつつ、報道ベースで紹介しています。

腎臓移植という大きな試練

そして2024年。小錦さんは腎不全を公表し、妻の千絵さんから腎臓の提供を受ける移植手術を受けたことを明らかにしました。報道によると、2024年11月に入院し、12月に移植手術を実施。経過は良好で、同年12月下旬には退院しています。

退院時の会見で、小錦さんは妻からの腎臓提供について、複雑な思いも率直に語っていました。最愛のパートナーに大きな負担をかけることへの葛藤があったといいます。それでも千絵さんの後押しがあって手術に踏み切り、無事に乗り越えたというのは、夫婦の強い絆を感じさせるエピソードですね。

「病気を経験したからこそ伝えられること」

大きな手術を経験した小錦さんですが、ふさぎ込むどころか、その経験をオープンに発信しています。同じように健康に不安を抱える人へのメッセージにもなっていて、巨体の力士として生きてきた人だからこそ語れる説得力があります。講演活動でも、自身の半生や健康との向き合い方が大切なテーマになっています。

052026年現在の活動

ハワイアンシンガー「KONISHIKI」として

2026年現在も、小錦さんは「KONISHIKI」名義でハワイアンシンガーとして活動を続けています。ウクレレを抱えて優しく歌うステージは、力士時代のイメージとは正反対の癒し系。ハワイ出身というルーツを生かした音楽は、ファンにすっかり定着しています。各地でのライブやイベント出演も続いており、音楽活動は引退後のキャリアの大きな柱になっています。

公式サイトの近況欄でも、ライブやメディア出演の情報が随時更新されています。

2025年6月、フジテレビ「ザ・ノンフィクション」に出演。腎臓移植を乗り越えた小錦さん夫妻の歩みが取り上げられた。 出典:KONISHIKI 公式サイト ニュース(2025年6月8日)

腎臓移植という大きな出来事を経ても、こうしてメディアに登場し続けているのは、回復が順調である証でもありますね。

子供番組の人気者「コニちゃん」も継続

NHK Eテレの長寿番組「にほんごであそぼ」では、小錦さんは黄色いトゲのついたオレンジ色の衣装でおなじみのキャラクター「コニちゃん」として、長年にわたり出演を続けています。お父さんが椰子の木、お母さんがキラウェア火山から生まれた——というユニークな設定のキャラクターで、子供たちからの人気は抜群。

相撲を知らない世代の子供たちにとっては、「コニちゃん」こそが小錦さんの原点という人も多いはず。世代を超えて愛される存在になっているのは、本当にすごいことだと思います。

講演・CM・イベントとマルチに活躍

歌手活動と並行して、小錦さんは講演活動やCM出演、各種イベントへの登場など、マルチタレントとして幅広く活動しています。テーマは自身の半生、夢を追いかけること、異文化のなかで生きること、そして健康——どれも実体験に裏打ちされた言葉なので、聞く人の心に響きます。

妻の千絵さん(フラダンサー・ボーカリスト)とともに音楽・フラの活動を支え合っているのも、近年の小錦さんらしいスタイルです。

SNSでの発信も活発

公式X(旧Twitter/@KonishikisWORLD)やInstagram(@konishikiyasokichi)では、ライブの告知や日常の様子を本人が発信しています。大相撲の場所中には力士たちへエールを送るような投稿もあり、相撲愛は今も健在。土俵を離れてもなお、相撲界とのつながりを大切にしている様子が伝わってきます。

06まとめ

外国出身力士として初めて大関に上り詰めた「黒船」から、ウクレレを抱えるハワイアンシンガー、そして子供番組の人気者「コニちゃん」へ。小錦さんほど見事に第二の人生を切り開いた元力士も珍しいのではないでしょうか。

小錦 2026年現在まとめ

  • 外国出身力士として初の大関、幕内優勝3回の名力士として相撲史に名を刻む
  • 1997年に引退後、タレント・ハワイアンシンガー「KONISHIKI」として大変身
  • NHK「にほんごであそぼ」のキャラクター「コニちゃん」として長年活躍中
  • 健康のため減量手術を受け、大幅な減量に成功(報道ベース)
  • 2024年に腎不全を公表、妻・千絵さんからの腎臓移植手術を乗り越え退院
  • 2025年もテレビ出演やライブを続け、回復後も精力的に活動
  • 公式SNSで近況を発信、相撲界へのエールも欠かさない

土俵の上で見せた豪快さと、土俵を下りてからの優しい笑顔。そのどちらもが本物の小錦さんです。大きな手術を乗り越えてなお歌い続ける62歳の姿は、きっとこれからも多くの人を元気づけてくれるはず。これからの「コニちゃん」の歩みも、楽しみに見守っていきたいですね。